INNOVATION
漁業のDXを進める
ABOUT PROJECT
持続可能で効率や生産性の高い漁業を目指して
漁師の勘と経験が当たり前となっている水産業。
漁師の高齢化や燃油高騰など、漁業を取り巻く環境が日々厳しく変化しているこの現状に、私たちは持続可能でより効率や生産性の高い漁業を目指し、漁師の勘をAI化するプロジェクトを立ち上げました。
BACKGROUND
日本漁業にもウェルビーイングの視点を
ウェルビーイングとは、心と体が健康で社会的な繋がりが良好な状態を指す言葉。これまでの日本漁業の衰退はウェルビーイング的な視点が欠けていたからではないかと考えます。家族と滅多に会えない、子どもの運動会にも行けない、カプセルホテルのような住環境で1年間の大半を過ごす。その対価として、高い賃金を得る。それが日本漁業の当たり前でした。
しかし、排他的経済水域の設定や過剰競争による水産資源の枯渇、燃油・資材の高騰等により高い賃金を保証できなくなった。且つインターネットの普及による価値観の多様化によって、漁業は選ばれる職業ではなくなった。それが日本漁業の現状です。
ここであえて「日本漁業」と呼んでいるのは、世界はそうではないから。世界では水産資源管理を徹底することで水産物の価格が安定し、高収入と長い休みが保証されている。船も大型化され住環境はホテル並み。国によっては漁業者に特別税が課されるほど、漁業はもうかる職業なのです。
では、なぜ日本はそうではないのか。これは戦後の制度設計によるところが大きいと考えています。その制度が戦後70年以上に渡って続き、時代の変化に対応できていない。しかし、政治・行政というものは前例主義であり、制度というものは簡単には変わらない。
だからこそ、この状況は社会・経済の側から変えていかなければならない。その手法がイノベーションであり、DXです。かつお一本釣りは、水産資源に対して持続可能な漁法として江戸時代から続いてきました。そして世界では今、持続可能性からさらに推し進めてウェルビーイングの重要性が提唱されています。持続可能な伝統業法を守ってきた私たちだからこそ、ウェルビーイングの視点に立って起こせるインパクトがある。